研究内容

当教室では、グリア細胞機能の包括的理解とその治療への応用を目指し、いくつかのアプローチを行っています。

田中教授グループ

ターゲット疾患:免疫・炎症反応を背景にもつ神経疾患,変性疾患(パーキンソン病),脳腫瘍,救急・集中治療に関係する病態 (SIRS病態:Systemic inflammatory response syndrome)

脳の主たる免疫担当細胞,マイクログリアの起炎症性反応を制御することで,難治性神経疾患,特にパーキンソン病に対処しようというスタンスからの研 究展開。マイクログリアの研究を基礎にして,マクロファージの研究も行うようになり,その反応が重要な鍵を握る敗血症あるいはSIRSという難治性病態の 治療にも挑戦しています。また,脳腫瘍におけるマクロファージの反応に関する研究も行っています。

脳梗塞巣に集積するマクロファージBINCsは脳を守る細胞として重要であると考え,その性質を探り,利用することで脳梗塞のより良い予後に結びつけることを目指す研究と,脳梗塞後のリハビリテーションの効果を分子・細胞レベルで解明しようとする2つの研究を行っています。

矢野准教授グループ

 グリオーマ進行を食い止める治療の開発をめざし、ナトリウムイオン/プロトン交換輸送体や NG2 といった因子に注目した研究を展開しています。また扁平上皮がんのリンパ節転移において、標的リンパ節の組織構築が前転移期に改変されることを見出したことから、そのメカニズム、責任因子の同定、治療の可能性を模索しています。

高橋講師グループ

ターゲット疾患:脳腫瘍

脳神経外科学講座と協力し,悪性脳腫瘍の源とされる「グリオーマの癌幹細胞」を研究対象としています。特にiPS細胞の作製に必須であり幹細胞性の維持に重要な転写因子Oct-3/4に注目し,癌幹細胞性の獲得や治療抵抗性獲得のメカニズム解明に力を入れています。基礎・臨床の二つの視点から癌幹細胞の制御による新しい腫瘍制御技術基盤を確立し,最終的な悪性脳腫瘍の克服を目指しています。