田中教授からのメッセージ

研究生活とは・・・

 under construction

                           

矢野准教授の妄想

学問の使命って?

 

先日 NHK のテレビで、東大の安田講堂の攻防戦の話が放送されているのをみました。

安田講堂の時期わたしはまだ 2,3 歳だったので当時の熱気を知る由もないのですが、学生運動のひとつの頂点が安田講堂の一件だったと、のちの文章で読んで理解していました。

その NHK の特集のなかで、気になる証言がありました。当時、暴れまわり、詰め寄る学生相手に、教授・教員たちは「学問の意義」を明確に答えることができなかったというものでした。「ええ?ほんまかいな?うそでしょう?」

 

学問の意義ってなんでしょうか? 数年前に入試の小論文の作問委員を拝命し、文献を探しました。同じく東大の「知の技法」を手に取り作問に用いましたが、わたしの問題はあえなく没となり、受験生のみなさんの目に触れることはありませんでした。このとき、まえがきの中に、「学問の使命」という言葉があるのに引っかかりました。学問の使命ってなんでしょうか?

 

民主党政権の時に、事業仕分けというものがあり、「2位じゃダメなんですか?」という有名なフレーズが産まれました。このときこの言葉で明快に示された考え方はすなわち、「経済の役に立たない学問なんかやめてしまえ」ということです。学問ってそんなものでしたっけ? 学問って経済の役に立てることを目的におこなわれるものでしたっけ? わたしの理解はそうじゃないんですが、わたしのは一般的な理解ではないんでしょうか?

 

お二人の高名な科学者の言葉を引いておきたいと思います。お一人目はノーベル賞学者の小柴昌俊先生。あるご講演での要旨からの引用ですが、「私は方々で「ニュートリノというのは役に立たない」と言っている。」 同様のご発言を記者会見などでもなさっていますが、じゃあニュートリノの研究なんて事業仕分けでは仕分けられちゃうべきものなんでしょうか? でもなんでそんなものにノーベル賞が? 民主党さん?

 

がん遺伝子研究の泰斗であるロバート・ワインバーグ博士。彼の成果を踏まえ、ハーセプチンなどの現在用いられているがん治療の医薬品が開発されています。が、彼自身の言葉を聞く (たしか彼の研究室を取材したドキュメンタリーの「がん遺伝子に挑む」のなかの言葉だったと思いますが、万一まちがっていたらごめんなさい) と、「わたしはがんを治療したいと思って研究を行ったことは一度たりとない。ただ、この最高におもしろい生物学というパズルを懸命に解こうとしてきただけだ。」 役に立てることを目的にしていない研究から大変に有用なものが産まれているということ、いったいどう解釈するべきなんでしょうか? 
 
わたしのようなチンピラにも思うところはありますが、こんな偉大なお二人の言葉があればもう十分、チンピラの解説なんか要りませんでしょう? 「思うところ」は仕事の内容で示していきたいと願ってはいるのですが・・・。修業が足りません。
精進します。
失礼いたします。

                               

第25回 (平成27年度) 日本病態生理学会事務局発足

来夏松山にて、表題の学会 (http://byoutaiseiri.kenkyuukai.jp/about/) が開催されます。田中潤也教授を会頭に、当教室が事務局を担当いたします。すでに会場の選定・手配等を完了しており、ホームページ作成、プログラム内容の決定など、順次準備を進め、情報発信いたします。

                           

四年生 西岡龍太郎の「研究生活に入ってみて」

愛媛大学医学部医学4年生の西岡龍太郎です。私が田中潤也教授のご指導のもと分子細胞生理学教室にお世話になり始めて、1年半が過ぎようとしています。
 もともと医学部に入学したきっかけは、祖母の癌治療の看病をしている際に医師という仕事の素晴らしさに触れ、臨床医になろうと思ったことからでした。医学部入学以前から基礎医学や研究医の存在自体は知っていたものの、正直に言うとまったく興味はなく、自分には縁のないものだと考えていました。入学後も、特に研究に興味が湧くこともなく、だらだらと毎日を過ごしていました。
 転機になったのは、3回生の春に友人に実験を手伝ってほしいと言われたことです。その頃は、基礎配属の授業開始を目の前に、いかに実験をしなくてもいい研究室に行くか考えている日々でした。そんな中で実験を手伝わせていただいたとき、教室の先生方が楽しそうに実験をしていて、田中先生に「ここで実験してみたら?」と一言をいただいたので、何かの縁だしやってみようかなと軽い気持ちでお世話になることを決めました。
 春から実際に実験手法を教わり、夏前には『脳梗塞後の運動療法の効果』という研究テーマをいただき、『自分の研究』が始まりました。当時愛媛大学では、三年次の午前は講義、午後は基礎配属という時間割がほぼ一年続くというカリキュラムだったので、学部生でも非常に研究がしやすい環境だったと思います。このころから講義が終わったら、研究室に行き、時間が許す限り実験するという生活が始まりました。
 研究が動き始め、大変でしたがラットの脳梗塞モデルが少しずつ作れるようになり、サンプリング、リアルタイムPCR、免疫染色など基本的な実験手法を覚え、最初に感じたことは自分にでも基礎研究ができるかもしれないということでした。このころは新しいデータが出るのが楽しくて、今後の実験の展開が楽しみでした。そして、データが揃いはじめたころ、サンプル数が増えるにつれ、各データの差が無くなっていき、本当にこの実験がうまくいくのだろうかと不安を感じたのを覚えています。この時は、指導教官であった助教の杉本先生や田中先生のおっしゃることを信じて、ひたすら実験を繰り返しました。この時、唯一差が出たのが、今、私の研究の中心テーマとなっている、脳浮腫についてです。
 このころが11月くらいだったと思うのですが、ちょうどこの時大学で「医学科大学院からの基礎研究医養成プログラム」が始まりました。具体的には、研究活動を行っている学部学生に学生研究員としての身分を与え、研究活動や学会発表などのサポートを行う制度で、私としては責任を持って実験に取り組む良いきっかけになったと同時に、初級研究員から中級、上級研究員へとステップアップしたいと、研究活動において分かりやすい目標を持つことにもつながりました。
 基礎研究を始めて一番良かったことは実際に基礎医学に触れ、研究医のやりがいや面白さを知れたことにあると思います。冒頭でも触れたように、研究にまったく興味のなかった私がなぜ研究 を続けられているかといえば、単純に研究活動を面白いと感じているからです。また、学会発表などで様々な大学の先生とディスカッションをし、意見を交換する機会が多くありますが、実験に関する貴重なご意見を頂けるとともに、自分なんかがすごい研究をやらせてもらえていると実感するときでもあります。
 今後は、自分の研究を形として残すために論文が書けるまで、実験をすることを第一の目標とし、その後も時間の許す限り実験を進めていきたいと思います。
 自分の一年半の活動を振り返ってみて、本当にいい大学と研究室に巡り合えたと感じています。私の研究活動を支えて下さっている田中先生をはじめ、分子細胞生理学教室の先生方、愛媛大学の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。学生研究員のプログラムには、私のような研究に興味のなかった学生が、基礎研究に触れ、興味を持つことにも意味があると感じていて、今後ますます多くの学生が研究活動の面白さに触れてもらえればと思います。

                           

大学院生 川崎俊の「今月の釣果」

御覧ください、この写真。ぼくの”初めてのお相手” (平成25年12月3日の夜)。

”生で”、おいしくいただいちゃいました。